インタビューで見えた「気持ちを立て直す美容」
化粧品の訴求を考えるとき、「毛穴が気になる」「くすみが気になる」「シワが気になる」といった肌悩みを起点に考えがちです。
でも、実際の消費者は、悩みがあるだけでは動きません。
今回のインタビューで見えてきたのは、実際に「行動」として現れるシーンは、感情が大きく動いた時に訪れるということでした。
美容のモチベーションが上がり、行動として現れる時はどんな時なのかお伺いしました。
美容のモチベーションが上がり、行動に繋がる時はいつ?
今回お話を伺った方は、30代2人のお子さんがいる主婦の方。
美容のスイッチが入るのは、すごくダメージを受けた時か、イベントがある時だそうです。
特に印象的だったのは、すごくダメージを受けた時。
仕事の資料づくりやプロジェクトが終わった後
家族全員にインフルエンザが回り、最後に自分が倒れた後
睡眠時間は取っていても、頭が休まっておらず、うまく休息できていない日々の後
色んな大変なことが終わって、スッキリしたタイミングで、翌日の朝に鏡を見た瞬間「汚っ!!」「クマすごい」「くすみやばい」「土色してる」「5歳老けた気がする」と感じるそうです。
肌の疲れをを見た瞬間に、自分の内側の消耗が、顔に可視化されたように感じる。だからこそ、美容は、単に肌をきれいにすることではなく、「一回リセットして、もう一度上向くための行為」になっています。
忙しい時期を終えて、何をし始めるかというと、まずは部屋の掃除。
ごちゃごちゃした気持ちを落ち着けるために片付けをします。次に、ストレッチをして、ひとりでお風呂に入る時間を確保する。
その中で、クレンジングや洗顔を丁寧にし、子どもが寝た後にスチーマーやパックで「自分を大事にする時間」を持つ。
そうやって初めて、「整ってきたな」と感じると語っていました。
このお話から言えることは、消費者にとってスキンケアは、単品の機能だけで完結していません。
整った生活や、自分を取り戻すためのものとして存在しています。
肌が整っていない状態は、部屋が整っていないのと同じように、居心地が悪い、違和感がある、どうにかしたいと思う気持ちが強くなるようです。
もうひとつの美容スイッチは「楽しみな予定」
美容モチベーションが上がる、もうひとつのきっかけは「楽しみな予定」です。
卒園式、入学式、久しぶりに友人と会う約束。
そうした予定が入ると、1〜2か月前からやる気が出て「それに向けて頑張りたい」と思うそうです。
その時に見直す対象として、割とスキンケアが上がりやすいと話していました。
「その日に向けて素敵な自分でいたい」という前向きな美容です。
- 疲弊した自分を戻すための美容
- 楽しみな予定に向けて高める美容
の2種類があるということです。
消費者は「悩みの深さ」ではなく、「物語の入口」で動く
今回のインタビューから見えてくるのは、化粧品が選ばれる入口は、その人の生活どんなシーンに接続できるかだということです。
くすみがある人は、全員が「くすみ改善」という言葉で動くわけではありません。
ある人は、「疲れが顔に出て、もう一回立て直したい」という文脈で動くかもしれない。
また別の人は、「久しぶりに会う人に、素敵な自分でいたい」という文脈で動くかもしれない。
スキンケアは「肌を整えるもの」である前に、「気持ちを整えるもの」。
疲れた朝に鏡を見てショックを受けた時、消費者が求めているのは自分を立て直す感覚です。
また、楽しみな予定は、スキンケアの見直しを促す大きな起点に。
卒園式、入学式、再会、旅行など、イベント前は自分への投資として美容が動きやすいです。
まとめ
今回のインタビューで見えたのは、消費者は、感情が揺れた時に美容を見直すということでした。
疲れ切った自分を見て、「このままじゃいけない」と思う朝。
これから会う人や迎える日に向けて、「素敵な自分でいたい」と思う時。
その両方で、自分を整え直すための行動として機能しています。
消費者が抱いている肌の悩みが、どんな生活の場面で、どんな気持ちと一緒に立ち上がっているのかを考えてみると、広告にも「らしさ」が現れてくると感じます。

