消費者インタビュー02

今回インタビューしたのは、正社員としてキャリアを積みながら2児を育てる女性です。
学生時代から20年以上、ディオールやゲランなどのハイブランドを使い続けてきた美容感度の高いユーザーです。

インタビュイー基本情報

48歳女性
職業:会社員
家族構成:子ども2人(5歳と7歳女の子)、夫

20年デパコスのラインナップ買いを続けたが、子どもを育てるなかで子ども用ベビーローションのみの習慣に..。これではダメだと、広告を見て化粧品を検討、継続購入3年目で現在に至る。

今月は長期の有給休暇を利用して、自分のために美容医療に通う予定。

肌のお悩み:混合肌、かつ、肌の厚さが平均の1/2しかない敏感肌。いまのところ暫定的に、N オーガニックにしていますが、ものすごく気に入っているレベルには至っていない

肌の悩みで気になるもの上位3つ:シミ、乾燥、シワ(笑うと目の下にシワができるのが特に気になる)

現在のスキンケアのラインナップは以下の通り。
・クレンジング:ファンケル(3年継続)
・洗顔:オルナオーガニック(半年)
・化粧水、ミルク:Nオーガニック(1年半継続・定期購入)
・朝は無添加固形石鹸

基本的にラインは固定。しかし、満足度は「70点」なんだそう。
「悪くない。でも、めちゃくちゃ最高でもない。いい出会いがあれば変わる可能性はあります。」とのこと。

インタビューから見えた、購買行動から読み解く化粧品が売れる瞬間のつくり方についてお伝えします。

①SNS・雑誌は見るだけ。行動を起こすのは合わせ技。

消費者は、美容系雑誌やインスタも見ています。美容インフルエンサーの動画も「面白い」と感じています。
ただし、その面白さは「コンテンツとしての面白さ」であって、購入とは直結していません。

美容系雑誌でよく特集される、ベストコスメで選ばれる化粧品には興味を持ち、信頼もしています。
しかし、実際に購入という行動には意外とつながらないようです。
また、インフルエンサーの発信も見ていますが、娯楽として消費され、実際の行動材料としては「それだけでは」足りないのです。

実際に行動を押していた要素は、次のようなものでした。
・身近な人が実際に綺麗になっているという目に見える変化
・ママ友からの本音の口コミ
・@cosmeやAmazonのレビュー件数が多く内容が具体的な口コミ

広告は、入口として機能しますが「行動」の入口にすぎません。その後に、口コミや周りの人からの情報が重なることで、ようやく購入に向かいます。

つまり、購買行動は単発の説得では起きません。複数の根拠が重なり、自分の中で納得が形成された瞬間に行動が起きます。
この構造を前提にしない限り、どれだけ露出を増やしても行動にはつながりにくいのです。

②化粧品を認知し、実際に購入するまでにプロセス

    インタビュイーは、過去にオーガニック系シャンプーを広告経由で購入し、使ってみたら髪がバシバシになった経験があったそうです。その後@cosmeを見て低評価の口コミを確認し「やはり広告だけでは判断できない」と学んでいました。この失敗体験が、以降の購買行動をより慎重にしているようです。

    そのため、現在使用しているNオーガニックの化粧品は、次のようなプロセスを踏んで定期購入に繋がっています。

    ①広告で認知
    ②@cosmeで口コミを徹底的に確認
    ③Amazonのレビュー件数と評価をチェック
    ④サンプル購入
    ⑤使用して納得できたら本品へ

    定期便はスキップや調整ができる安心があり、おまけで別のシリーズのお試しなどもできるため、気にいっているそうです。

    ここで重要なのは、「慎重=買わない」ではないということです。慎重な人ほど、納得の階段が用意されている商品には到達します。逆に言えば、その階段が設計されていない商品は途中で離脱されます。

    納得に至るまでの導線設計が重要です。

    ・信頼できる口コミが蓄積されているか
    ・試せる小さな入口があるか
    ・継続を前提としつつも、調整や解約の安心があるか

    広告は、導く力として機能させる設計が求められています。

    ③悩みは役割分担されている。スキンケアの守備範囲を見誤らないこと

      消費者は、すべての悩みをスキンケアで解決しようとはしていません。
      悩みによって、解決手段を分けています。

      例えば、スキンケアに期待しているのは「乾燥」「シワ」といった領域であり、一方で「シミ」は、美容医療で解決するものという認識を持っている方もいます。トーニングやスポット照射といった具体的な施術イメージもすでにあります。

      このように、消費者の中ではすでに解決手段の分類が起きています。

      さらに健康意識も影響しています。
      過去にホワイトニング系のサプリやドリンクを試した経験はありますが、子どもが生まれてからは「口に入れるものは体に良いかが最優先」という判断に変わり、サプリメントはやめていると、今回のインタビューの中でも話がありました。

      同じ人物でも、ライフステージによって選択基準は変化します。

      広告を作るときに前提情報として知っておくべきことは、悩みを消費者がどの領域で解決したいと考えているかです。

      ④購買行動から読み解く化粧品が売れる瞬間のつくり方

      1)SNSや雑誌は入口として活用し、購入の決め手は別に設計する
      露出は必要です。しかし、そこで完結させようとしないことが重要です。購入を後押しする根拠は、口コミや体験設計の側に置きます。

      2)口コミプラットフォームを資産として育てる
      @cosme、Amazon、楽天のレビューは副産物ではありません。慎重な層を動かすためのインフラです。件数、具体性、検索導線の整備は最優先事項です。

      3)サンプルから始まる納得の階段を設計する
      いきなり定期ではなく、試せる入口を用意すること。調整可能な継続モデルは、安心があるからこそ選ばれます。

      4)悩みの役割分担を前提にポジションを定義する
      スキンケアで解決できる領域を明確にし、美容医療や他カテゴリーとの関係性を整理した上で訴求します。

      情報があふれる時代において、納得の材料を揃え、段階的に安心させ、行動しやすいタイミングに置いておく設計が広告には重要です。

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